独りよがりに慣れようか
「さびしい?」 「ううん」 「……そっか」 かなはゆうたくんの隣に、そっと座った。 彼のその小さな肩は、震えているようにも、いないようにも見える。 「つらい?」 かなは、小さな子どもに対してどう接すればいいかわから...
「さびしい?」 「ううん」 「……そっか」 かなはゆうたくんの隣に、そっと座った。 彼のその小さな肩は、震えているようにも、いないようにも見える。 「つらい?」 かなは、小さな子どもに対してどう接すればいいかわから...
赤黄青色 君は何色 わたし確定している わたし確定している 新芽の緑 それとも黄色 どちらでもあって、どちらでもない 君は何色 萌黄色 大人になりたい そう願うのはきみを知らなかったから 色づいてると思ってたわたし ...
美しく在りたいのは悪いこと 大人はみんなそう言うけれど きみはわたしを見てくれる 何も言わずに、まっすぐとしたその目で 一人でいたいのは悪いこと 子どもじゃないと言うけれど きみは子どもでいてくれる 色変えられたんだ...
きみがわたし色をとかすから 大人や自由、憧れた美しさ 曲げられない気持ち 曲げないための理由づくり きみがわたし色をとかすから 共感ややさしさ、そんなのいらない 小さな手のひらいっぱい 溢れるほどの無謀が...
森の中にも日の光が届くことに、驚く 少しだけ、少しだけ。 木漏れ日は、届きそうで、ふと伸ばしたくなる手を静かに引っ込めた。 わたし、馬鹿みたい。 在りたい姿がある。 曲げられない気持ちを、曲げないための理由づくり...
「え、私? 女子高生だよ、お姉さんってこと。かなだよ」 ゆうたくんには知らないことがいっぱいある。 はーあ、ぼくはまた会えるのかな。 あんなに泣いていたセミさんたちは、もういない。 お母さんが言っていた、セミさんたち...
かなはガッキーとか、田中みな実とか、美しい人が好きだった。 2個上で、今はもう大学生になってしまったダンス部のかおり先輩がインスタに載せる、美しいカフェやレストランの写真が好きだった。 そして、瀬戸内寂聴さんの本に綴られ...