未来の私は、何色になれてるだろうか
太陽はまだ、沈みそうにない。 炎の真ん中の、一番眩しいところ、みたいな黄色が砂浜を照らしている。 海の音がぽわぁんと頭の中で響いては、暗闇に飲み込まれたみたいにすんって消える。 まるで私みたい。 そう、ひとりごち...
太陽はまだ、沈みそうにない。 炎の真ん中の、一番眩しいところ、みたいな黄色が砂浜を照らしている。 海の音がぽわぁんと頭の中で響いては、暗闇に飲み込まれたみたいにすんって消える。 まるで私みたい。 そう、ひとりごち...
「人生って、別に生きる意味ないじゃないですか」 「生きる意味、か」 「はい。だからたまに分からなくなるんです。何をすればいいのか、どれが正解なのか、って」 「せいかい」 「土井さんが言葉を大事にする方だって、ゆんちゃんか...
表参道のカフェ。 意外と若い子が多いなぁとか思いながら、ダージリンのホットティーをいただく。 白いポットは、まるで美女と野獣に出てくるあれみたいで、可愛い。 「わたしは可愛い女の子と一緒にいられればそれで満足だなー」 お...
時間がない、と言うことが、ただの言い訳だということは、誰よりも何よりもいんちょーにはわかっていた。 そんなの言い訳だ。 自分が本当に成し遂げたいことがあるなら、時間なんていくらだって作れる。 いくら高校生で、バイトをして...
夏。 立夏。 暑い夏。 雨の多い夏。 休みの長い夏。 懐かしい気分になる夏。 ポケモン映画の再放送の夏。 サマーウォーズと時かけの夏。 夏祭りと花火大会に行けなかった夏。 アイス食べて自転車乗ってゲラゲラ笑ってた夏。 風...
はー、今日のゆんさんとの飲み、楽しかったなぁと僕はひとりごちる。 いっぱいワインを飲んで、いっぱい笑って、名残惜しさに後ろ髪引かれる思いでの解散。 心地いい。 もう30歳になったのだと、にわかには信じられなかったけれど、...
「有頂天家族読むとさ、京都行きたくなる」 「わかる。ていうか、森見登美彦作品すべてに言えるよね」 土井(どい)くんは今日もセクシー。 今日は華の金曜日。 仕事がなかなか片付かない私を見かねて、彼からご飯に誘ってくれた。 ...