未来のわたしは綺麗な色?
森の中にも日の光が届くことに、驚く 少しだけ、少しだけ。 木漏れ日は、届きそうで、ふと伸ばしたくなる手を静かに引っ込めた。 わたし、馬鹿みたい。 在りたい姿がある。 曲げられない気持ちを、曲げないための理由づくり...
森の中にも日の光が届くことに、驚く 少しだけ、少しだけ。 木漏れ日は、届きそうで、ふと伸ばしたくなる手を静かに引っ込めた。 わたし、馬鹿みたい。 在りたい姿がある。 曲げられない気持ちを、曲げないための理由づくり...
太陽はまだ、沈みそうにない。 炎の真ん中の、一番眩しいところ、みたいな黄色が砂浜を照らしている。 海の音がぽわぁんと頭の中で響いては、暗闇に飲み込まれたみたいにすんって消える。 まるで私みたい。 そう、ひとりごち...
吉田くんは、今日も勇気が出せない。 吉田くんは好きなものがたくさんあった。 商店街にある、小さな小さな本屋の、怖い顔したおっちゃん店長が作っている、可愛らしい丸文字のポップも。 同じマンションの、平日7時45分に家を...
ここでテーマとか、主義主張とかはあえて述べず。 ただ、書き続けたのだということを、書き記す。 誰に見てもらえているのかもわからず、誰かひとりでも面白いと思ってくれているのかもわからず。 100まで、折り返し地点なので...
「人生って、別に生きる意味ないじゃないですか」 「生きる意味、か」 「はい。だからたまに分からなくなるんです。何をすればいいのか、どれが正解なのか、って」 「せいかい」 「土井さんが言葉を大事にする方だって、ゆんちゃんか...
1 え、ここどこ ってまなかが思ってポストの陰に隠れたのは、隣の家から出てきた幼馴染の顔が、どう見ても昨日とまるきり変わって、老けていたから。 いや、あいつだよね? だってあの家から出てきたし と心の中で呟きつつ、彼に兄...
君のこと想う その正しい言葉のピース ジグソーパズルみたいには うまくハマってくれない 歌はたくさんあるけれど 当てはまるものでもないみたい 僕と君との地図 位置情報はオフ 何もかもがバラバラで 言葉と心が噛み合わな...
私は笑いながら、つまんね、と思った。手首の内側に巻かれた小さな腕時計へと目をやる。のろのろと動き続ける秒針が一周するのを、私は悟られないように、前髪で顔を隠しながら見ていた。 早く帰りたかった。居酒屋特有の喧噪も、黄色...
友だちと錦糸町で飲んでいて、時刻は0時を回ろうとしていた。 「田中みな実って、なんであんな女性人気が高いんだろう?」「努力しているところが、じぶんでも出来るかもって思わせてくれるからじゃない?」店員さんが早く帰りたそうな...
表参道のカフェ。 意外と若い子が多いなぁとか思いながら、ダージリンのホットティーをいただく。 白いポットは、まるで美女と野獣に出てくるあれみたいで、可愛い。 「わたしは可愛い女の子と一緒にいられればそれで満足だなー」 お...