50、物語った
ここでテーマとか、主義主張とかはあえて述べず。 ただ、書き続けたのだということを、書き記す。 誰に見てもらえているのかもわからず、誰かひとりでも面白いと思ってくれているのかもわからず。 100まで、折り返し地点なので...
ここでテーマとか、主義主張とかはあえて述べず。 ただ、書き続けたのだということを、書き記す。 誰に見てもらえているのかもわからず、誰かひとりでも面白いと思ってくれているのかもわからず。 100まで、折り返し地点なので...
「人生って、別に生きる意味ないじゃないですか」 「生きる意味、か」 「はい。だからたまに分からなくなるんです。何をすればいいのか、どれが正解なのか、って」 「せいかい」 「土井さんが言葉を大事にする方だって、ゆんちゃんか...
1 え、ここどこ ってまなかが思ってポストの陰に隠れたのは、隣の家から出てきた幼馴染の顔が、どう見ても昨日とまるきり変わって、老けていたから。 いや、あいつだよね? だってあの家から出てきたし と心の中で呟きつつ、彼に兄...
君のこと想う その正しい言葉のピース ジグソーパズルみたいには うまくハマってくれない 歌はたくさんあるけれど 当てはまるものでもないみたい 僕と君との地図 位置情報はオフ 何もかもがバラバラで 言葉と心が噛み合わな...
私は笑いながら、つまんね、と思った。手首の内側に巻かれた小さな腕時計へと目をやる。のろのろと動き続ける秒針が一周するのを、私は悟られないように、前髪で顔を隠しながら見ていた。 早く帰りたかった。居酒屋特有の喧噪も、黄色...
友だちと錦糸町で飲んでいて、時刻は0時を回ろうとしていた。 「田中みな実って、なんであんな女性人気が高いんだろう?」「努力しているところが、じぶんでも出来るかもって思わせてくれるからじゃない?」店員さんが早く帰りたそうな...
表参道のカフェ。 意外と若い子が多いなぁとか思いながら、ダージリンのホットティーをいただく。 白いポットは、まるで美女と野獣に出てくるあれみたいで、可愛い。 「わたしは可愛い女の子と一緒にいられればそれで満足だなー」 お...
時間がない、と言うことが、ただの言い訳だということは、誰よりも何よりもいんちょーにはわかっていた。 そんなの言い訳だ。 自分が本当に成し遂げたいことがあるなら、時間なんていくらだって作れる。 いくら高校生で、バイトをして...
「好きになった」 薫子の目はとても真剣で、冗談を口にしているようではなかった。すごい、と素直に思う。彼女はいつだって、こうなることができるのだから。「何を?」 この一言を言うためだけに、私はここに来たのだと、深く実感した...
夏。 立夏。 暑い夏。 雨の多い夏。 休みの長い夏。 懐かしい気分になる夏。 ポケモン映画の再放送の夏。 サマーウォーズと時かけの夏。 夏祭りと花火大会に行けなかった夏。 アイス食べて自転車乗ってゲラゲラ笑ってた夏。 風...