秘密めいた夜を二つ上の女性と歩く
その人はとてもお喋りで、まるで隙間を怖がるかのように、深夜の住宅街で言葉をこぼし続けた。 二つ年上の彼女の横顔。 自分自身の話を絶え間なくしているように見えて、本当はこちらを窺っているような。 気取るでもなく、媚びるわけ...
その人はとてもお喋りで、まるで隙間を怖がるかのように、深夜の住宅街で言葉をこぼし続けた。 二つ年上の彼女の横顔。 自分自身の話を絶え間なくしているように見えて、本当はこちらを窺っているような。 気取るでもなく、媚びるわけ...
ネットフリックスで現在国内一位で、渋谷に大きな広告も出ているアダムとアダム(原題:The Adam Project)を観た。 正直すごく好きだったし、面白かった! けれど、多分万人に、というか、あらすじや予告編を観た人た...
優しさに 枕を濡らす 雪しぐれ 遠回り 茜さす道 春出会う 車きて 陽だまりひいて 散る光 濡れガラス シャボンを弾く 軽やかさ
女性の好きなタイプで一番無難なのは”優しい人”で、一番核心的なのは”尊敬できる人”である。 この文脈での優しい人、というのは、 「私がしてもらったら嬉しいと思うことをさ...
増築を繰り返し、意味のわからないほど大きく、広く、複雑で、ごちゃごちゃした、旅館でダンジョンみたいな居酒屋の畳の匂い。 以前から何度か会ったことがあって、そのたびに夜遅くまで飲んでいたのだけれど、まさか誕生日を祝う場にも...
壊れる前に離れようとしたのだけれど、上手くいかなかった。 なんで帰るのって、言われて、あれ、と思う。 もう時間は夜遅くて、帰ることに不自然さはないはずだったけれど、どうやら違ったみたい。 なんだか途中で帰るなんて無責...
どんな感情なのかもわからず、歩き続ける。 ぐしゃぐしゃ。 ぐしゃぐしゃ。 ぐしゃぐしゃ。 悔しかった。 熱かった。 すごいと思った。 もっと頑張りたかった。 その炎の熱にあてられて、どうにかなってしまいそうになる。 言葉...
そういえば中学生のころ、ぼくは左乳首を無くすという大事件を起こしたことがあった。 起こしたというか、起こされたというか。 大事件というか、いや確かにぼくにとっては大事件に違いないし、中学の同じ学年中に広まったから大事には...
初対面の人たちとしばらく話した後、プライド高そうって言われた。 え、まじ? って思った。 ぼくってプライド高そうに見えるのだろうか。 てか、人が人にプライド高そうって言ってる時って、どんな意味を含んでいるのだろう...
エモいものしりとりとは、エモいものだけで続けるしりとりのこと。 頭を空っぽにして、何も考えずに一筆書きで書いた文章だったのだけれど、思いのほか伏線を回収できて、しかもきちんとエモいものに仕上がった気がしていて、これを書い...