好きを後悔する詩

秋色

 

好きだなんて、言わなければよかった

秋色のTシャツを着たあなた 好きを知らなければ、季節なんて感じなかった

いつもつまらない冗談を言って 私の笑い声に重なるあなたの嬉しそう声

優しいところも 自信のないところも 笑い声が変なとこも 全部好き

人はあなたをつまらないと言うけれど 私も思ってたよ

でもあなたは決まって、照れ臭そうに私の目を見るから そこも好き

好きになったのがあなたでよかった こんなに日々が色づき始めるから

あなたといる秋は、暑すぎるの 冬なんて忘れてしまうくらいに

 

好きだなんて、言うつもりなかった

秋色のTシャツを着たあなた 嫌いと言えなかった、季節なんて知らなかった

いつも別の女の子の話をして 私の話を遮って話す気だるそうな声

優しいところも 自信のついた顔も 変わった笑い声も 全部好き

人はあなたを大好きと言うけれど ずっと前から私も

でもあなたは変わって、もう私の目を見てはくれないから もう無理かも

好きになったのがもっと別の人だったら こんなに日々が苦しくならずに済んだのかな

あなたのいない秋は、寒すぎるの 冬なんてわからなくなってしまうくらいに

 

もう忘れてしまった あなたの好きだった秋色

喉(のど)ぼとけに手を添えた感触だけが残って 今も忘れられずにいるわ

あなたの嘘っぽさのない”かわいい”の言葉が何よりも好きだった

優しいところも 自信のついた顔も 変わった笑い声も まだ全部覚えてる

でもあなたの秋色のTシャツだけは 私の記憶から色をなくしている

 

好きだなんて、言わなければよかった

あなたのいない秋は、寒すぎるの 体温の温かみを知ってしまったばかりに

好きだなんて、言わなければよかった

好きだなんて、知らなければよかった

 

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