明日から仕事辞ーめたっ物語

「え、中町さんほんと? 明日??」

「はい! 今までクソお世話になりました!! あ、すみません、口が滑りました……。大変お世話になりました」

「いやいや、君もう32歳だよね? ていうかここで働いてもう7年目? どうしたの急に、勤務態度も真面目、成績も優秀、あれあれおかしいなどうしちゃったの疲れてるんだよね今日はもう帰っていいから一回ゆっくり寝なさいな。はー社長びっくり、まさか朝一番でこんなことになるとは思わなかったよ心臓とまっちゃうかと思ったよ」

「ここは10年目になります! そしたら帰りますね、お疲れさまでした!」

「いやちょっとまってごめん中町さんやっぱり帰らないで、一回話しよっか、おーい、君、お茶いれてくれ」

「あ、私いれますよ」

「いいから中町さんは座って座ってお願いだから立たないで中腰もやめて一回落ち着こう」

「社長、今日は朝からよく喋りますね!」

「あんまり舐めないでもらってもいいかな?」

「あ、すいません……。そしたら帰りますね……」

「うそうそごめんごめん凄んでないから怒ってないから、もう一周まわって面白くなってきちゃってるのよ社長も。うん、ぼく社長だよね、そう、社長です」

「はい、社長。今日限りで辞めさせてください」

「どうしたのよ急に? 中町さんらしくもないじゃない。常識的に考えて、明日辞めますはいそうですかってバイトじゃないんだから無理にきまってるでしょう。何があったの?」

「いえ、社長にお話しても意味がないことだと思うので、一身上の都合とさせてください」

「中町さ〜ん、そんなので辞められるわけないよ、社会舐めすぎだよ。今まで働かせてもらってた恩とかも忘れてない? 君を育ててくれた上司の顔に泥を塗ることになるんだよそこのところわかってる?」

「はい、それで結構です! 今さら文句を言うつもりはないし、こちらの会社の体質が変わることはないと思うので、何も言いませんが、私は辞めさせていただきます。急なご報告となってしまい大変申し訳ございません。今までありがとうございました」

「ちょっと何言ってるのかわからないな〜。しかもすごい含ませるじゃん、会社に不満があるのありありじゃない。一回常識的に考えてみよっか。君、半年や一年後も辞められるわけないのに、1ヶ月? いや1日? 無理に決まってるじゃん、ほんと面白い冗談を言うよね中町さんは」

「それでしたらどれくらいの期間を設ければ辞められるのでしょうか、社長」

「いやだから、辞められないって」

「はい、ですよね。なので、明日辞めます」

「君もわからない人だな、殴るよ?」

「はい、どうぞ」

「はぁ、ほんともうさぁ。勘弁してくれよぉ。まあとりあえず、今日はもう帰っていいから、一日ゆっくり休んで、頭冷やしてきて」

「はい、今までありがとうございました!」

「いやだからわかってる? 明日は絶対にきてね? 辞めさせないからね、地の果てまで追うからね」

「はい、私も法テラスで弁護士さんに相談して、力の限り戦います! 会社辞められないとか意味わからないので!!」

って言って、無事会社を辞めたらしい。

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