壊れる前に離れようとしたのだけれど、上手くいかなかった。
なんで帰るのって、言われて、あれ、と思う。
もう時間は夜遅くて、帰ることに不自然さはないはずだったけれど、どうやら違ったみたい。
なんだか途中で帰るなんて無責任だと言われているようで、ちょっと心苦しく感じながらも、席をたつ。
これ以上この場にいたくなかった。
今までの会話の中で、一緒にいる時間の中で、久しぶりに会ったからこそ、感じる感情が多くあった。それは心地よくもあったし、その他の気持ちもあった。でも、みんな楽しそうにしていたし、その場にずっといたいと思うくらいには、居心地のいい空間だった。
ただ、ぼくは何をしでかすかわからない。
成長したと自身のことを思っていたとしても、その成長する前の自分といた人たちと一緒にいると、記憶が蘇ることがある。
いや、それは言い訳かもしれなかった。
でも、少なからず、ぼくの感情の爆発に、彼らは関係していた。
ぼくは彼らの行動にむかついて、許せなくて、怒って暴れることが多くあった。
今はなくなったと思うけれど、本質的に何かが変わったわけではなくて、結局彼らと一緒にいると、感情が大きく動く。
許せなくて、やるせなくて、嫉妬して、憧れて、醜く好きになって、それが辛くなって、泣きたくなって、悲しくて。
もうこんな年になって感情を爆発させたくはなかった。
何もかもにイラついてしまうぼくには、やっぱり人そのものが、刺激が強すぎる。
だから、スマートに離れたつもりだった。
でも、どうやら上手くはいかなかったらしい。
もうそろそろいいだろう、と思って席を立ったぼくに、みんなは懐疑的な視線を向けた。
え、不自然だった?
とぼくは驚く。
堪え続けて、ようやく今だと思って立ったはずのタイミングが、全然あっていなかったようだ。
タイミングのせいか、それとも本来なら最後まで居座るぼくの性格を知っているせいか。
相変わらずだせえなぁ、と自分が嫌いになる。
何もスマートにこなせない。
人のこと気を遣っているふりをして、結局人に気を遣わせる天才。
バカみたい。
結局何者にもなれない自分が、嫌いで嫌いで、悔しくてたまらなくなる。
ぼくは何者にもなれない。
何者かになりたくて、ずっと考え続けている。
この言葉にすら、意味はあるのかとか考えて、本当は決してしまった方がいいのではないかとか思って、でもいつか、きちんと、正しく自分が思い出すために、とっておこうと思う。
とりあえず誰のためでもなく、自分のために続けてみる。
きっと自分を救えない人間は、誰も救えないから。
ぼくがぼくを救って、その跡に誰か一人だけでも、救えることを願って。
この醜い感情を書き記しておく。自分を正当化しておく。今はそれだけでいい、何もわからない頭でただそれだけを思う。
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