久しぶりにおっさんたちのポコチンを見た

スーパー銭湯へと数年ぶりくらいに行って、おっさんの量に驚いた。

 

中学の頃は、よく母とスーパー銭湯に行っていた。

岩盤浴と漫画休憩所があれば一日中飽きることはなかったし、読みかけの本を持っていって、休憩所で読み終えてからその読後感に、広い風呂の中で浸っているのがとても好きだった。

だが大学生になった頃から、スーパー銭湯に通うことはなくなった。

旅先やふとしたイベントとして、友人とそういった施設に好んで行くことはあっても、一人きりの娯楽として行くことはない。

もともと外に一人きりでいることを好まない性格のためか、広いお風呂は大好きだったにも関わらず、いつも人の量に辟易として避けるようになってしまっていたのだが、ふとした時に、大浴場への憧れの衝動が湧き起こってくることがあった。

そしてぼくは、数年ぶりにスーパー銭湯へと足を運ぶことになる。

 

きちんとし温泉のお風呂。

一人。

岩盤浴もある。

 

ただ、更衣室に足を踏み入れたとたん、目の前のガラス越しに見える露天風呂には、それなりの人がいた。

嫌な予感がしたまま、大浴場の中に入ると、そこには人、人、人。

せっかく人の少ない時間を狙ってきたというのに。

そこにはたくさんのおっさんたちのポコチンがあった。

別にポコチンなどはどうでもよかった。

むしろポコチンに付属している顔や胴体が、どうも許せない。

 

人が多すぎる。

夕方、都内のスーパーに入店したときみたいな、ぐらぐら感。

別に嫌悪するほどでもないけれど、また来たいと思うにはほど遠い感情だった。

きっとこれから、ぼくがわざわざ一人でスーパー銭湯に来ることはないだろう。

 

ただ、悪い気分ではなかった。

お風呂と青天と、岩盤浴を堪能した。

帰り道にコンビニで買ったぬるいビールを口に入れて、「まじい」と呟きながら、ねぎまを食べる。

ひと汗かいたあとのビールは、ぬるくてまじかったけれど、うまかった。

 

箱根にある貸切露天風呂に今度一人で行こうと決意を固めながら。

ドライヤーで乾かさなかった濡れ髪の水分が、カラカラの空へと立ち昇って行く。

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